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#2

日常生活は何に支えられているか(SDGs:全て)

 私たちは日常生活を送るうえで多くの「もの」に支えられ暮らしが成立している。身近に潜む私たちを支えている「もの」とは一体何か。反対に課題や解決すべきことにも焦点を当てながら、SDGsと身近な暮らしを結び付け意見を交わし合った。その中で、私たちの暮らしは“プラスチック”に支えられていることを発見した一方、プラスチックは環境問題や海洋ゴミ問題に関係し、世界的に見ても「減らすべきもの」として捉えられている。ディスカッションでは暮らしの中でのプラスチックの役割とあらゆる課題への関与について多方面からの切り口で見つめていきながら、持続可能な社会を築くための出発点を模索していった。


▶私たちを支えている「〇〇」

 ディスカッションを始めるにあたり、先生と学生に「私たちは何に支えられているか」と問いかけた。コンビニ、パソコン、スマートフォン、電気、マスク...と様々な答えが挙げられた(半導体や親という答えも)。一方で、私たちの身近には多くの課題があり、学生からは環境問題としての海洋ゴミ問題、マイクロプラスチックによる動物の死が挙げられた。私たちを支えるものと、課題。これら相反する問いには一つの共通点が存在しており、それは「プラスチック」であった。身近にあるものの素材について考えてみると、コンビニであれば商品はプラスチック素材の容器で包装されており、電化製品や触れることの無い日がないパソコンやスマートフォンにもプラスチック素材が使用されている。一見、プラスチックが関係していないように見えるものでも、見えないだけでプラスチックやその原料となる石油が用いられていることも多く、私たちの身近な生活に溶け込んでいるのだ。


▶ 「当たり前」の見つめ方

 プラスチックは私たちの身の回りに当たり前に存在する(無意識になっている)。新型コロナウイルスの影響を受け、遠隔でのコミュニケーションを取らざるを得なくなったが、その時に用いる材料のほとんど全てがプラスチックからできていると言っても良い。しかしプラスチックは、海洋ゴミの原因であることに加え、生物の死に関与しているという現状は有名である。プラスチックは世界的に見ても減らすべき物質の一つであるという認識を持つ人は多くいると思うが、全てのプラスチックを無くせばいい訳ではない。私たちが課題や身の回りの当たり前に対する視点を変えていくことで持続可能な社会が築かれる未来を自分ごととして捉え直すことも必要だろう。


▶無意識を超えて!

 日常生活の色々なところでプラスチックは無意識に溢れている。しかし、この無意識によって及ぼされる影響として、用が無くなるとゴミになってしまい、ゴミとして蓄積されて溢れていくということがある。無意識が生み出す環境問題や課題の解決に向けて、私たちが意識的に物事を見つめて考えるというプロセスを大事にすることが重要となる。

学生の声

学生1:今回、「日常生活はなにで支えられているか」というテーマで話し合っていきました。いろいろな意見が出ましたが、そのどれもがプラスチックが使われていたり、関わっていたりして、私が思っている以上にプラスチックを頼りながら生活しているのだと学びました。海洋プラスチック問題がありますが、より身近なものとして受けとめるいいきっかけとなりました。

学生2:日常を支えているものが何かを考えてみると、様々なものに溢れていました。しかし、それらの素材はほとんどがプラスチックからできていることを知り、重要なものであると思いました。ストローといったプラスチック素材のものを無くしていこうという動きもあるけれど、プラスチックが決して悪いのではなく、私たちが多様な視点で物事を見つめていくことが必要であるのだと感じました。

まとめ

 “日常生活を支えるものとは”。広い視点から始まったディスカッションではプラスチックについて様々な意見が飛び交う場となった。プラスチックという一つのものに着目しても、良い面もあればそうではない面もある。専門分野の異なる学生同士が集まり、意見を交わすことにより、見えなかったことが見え、当たり前に存在するものへの新たな価値観が生まれていくのを実感した。また、良いか悪いかという狭い視野での二択問題ではないことに気付かされた。学生や教授といった様々な視点、価値観、多様性に出会うことがサスティナブルな社会実現のための一歩となることを実感し、これからも私たちにできることを探究し続ける者になりたいと感じた。