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#7

質の高い教育とはそもそも何だろう?(SDGs:4)

 私たちはSDG4番「質の高い教育をみんなに」を取り上げ、質の高い教育とはそもそも何かということをテーマに、意見発表、実際に取り組まれている事例紹介、感想共有を行った。テーマについては事前に一人一人が意見を考え発表した。本ディスカッションでは、質の高い教育の本質をあらゆる視点から見つめ、それぞれが現在まで受けてきた教育の経験に基づいて議論を進めた。


▶質の高い教育とは

 ディスカッションの初めに、学生一人一人がテーマについての意見を発表した。質の高い教育とは、知識を得るだけではなく考えられる人を育てること一人一人の個性を伸ばすこと、そもそも学校に通って教育を受けること、学校で児童・生徒が教師に対して心を開きやすい環境を作ること、などの意見が挙がった。これらの意見の背景として、学校では詰め込み式で知識を学ぶことに焦点を当てた教育が行われていることや、児童・生徒と教師との距離が遠く信頼関係を結びにくいなどという、日本における現代教育の課題があると言える。


▶ 小学校で「質の高い教育をみんなに」提供するには

 SDG4番は、「質の高い教育をみんなに」である。一見、綺麗な言葉でまとめられているが、この言葉は抽象的ではないかという意見が挙がった。では、「質の高い教育をみんなに」提供するためには、具体的にどうすればよいのだろうか。ここでは特に、小学校での教育に的を絞って議論を進めていった。

 案としては、小学校の授業の一環として農業体験や自然学習などを行い、児童が様々なものに触れて経験する機会を与える、というものが出た。あらゆることに挑戦する中で、結果的に成功することも失敗することもあるかもしれないが、児童にとってはすべてが良い学びとなるに違いない。最近では、自己肯定感の低い子どもたちが多いと言われている。だからこそ、日常生活で上手く行くことも行かないこともすべて受け入れ、自信を持って越えていけるようになってほしいと願ってやまない。

 


▶より良い「教育」を目指して

 一方で、教育する側においては、実際、教育委員会の掲げている目標や学校ごとに示されている理念が綺麗にまとめられ過ぎており、具体的に何を目指すのかが教育者の間でも明確になっていないという話を伺った。教育の現場に向かう前に、まずは教育者一人一人の持つ教育に対する思いやイメージを、教育者間でも具体的に共有することが必要なのかもしれない。

 また、教育を受ける側においても、他人から評価されることを気にしすぎるあまり、学びの目的がずれてしまっているという課題がある。教育を受ける側だけの問題ではないかもしれないが、結果に重きを置くのではなく、過程を重視して学びに取り組む姿勢作りが必要ではないだろうか。

 教育する側、教育される側、どちらにおいても教育の本質を見つめ、同じゴールに向かっていくことが大切だと学んだ。

学生の声

学生1:今回質の高い教育について色々な意見が出てきた。特に印象に残ったのが、子どもたちを評価するためのものさしが今は学校という一つの場にしかないために、そこに馴染めなかった生徒は行き場を無くしてしまうということだ。だからこそ色々な人と関わらせて沢山のものさしを用意し、大人が子どもに寄り添ってあげることが大切なんだと学んだ。自分自身が受けてきた教育と照らし合わせて考えるとこんな教育を受けたかったなと思った。

 

学生2:普段関わらない大学の方と関わることができたのが新鮮だったと同時に、別の視点で物事を見ることもでき、良い影響を受けた。皆すごく真面目で、先のことを考えているなと思った。

まとめ

 「質の高い教育」と聞いて、誰もが何となくイメージを持つことはできる。それは、一人一人受けてきた教育環境が異なったとしても、私たちが義務教育以上の教育を受けることができたからである。このように、日本における教育はある程度保証されている一方で、まだまだ課題は残る。今回のディスカッションが、参加者一人一人にとって教育の本質を考える良い機会になったのではないかと思う。